最新Linuxディストリビューション、Fedora 16を使ってみよう[1]:インストールと日本語環境の設定 3ページ

Fedora 16のLive環境を使う

 無事にFedora 16が起動すると、図5のようなデスクトップ画面が表示されるはずだ。

図5 Feora 16のデスクトップ画面
図5 Feora 16のデスクトップ画面

 このとき、PCの構成によっては「GNOME 3 Failed to Load」という画面が表示される場合がある。「Fedora 16はデスクトップ環境に「GNOME Shell」を採用しているのだが、GNOME Shellは複雑な(派手な)グラフィックエフェクトを多用しているため、対応ハードウェアが必要となる。もしPCのハードウェアがGNOME Shellに対応していない場合、「GNOME Classic」を利用する「Fallback mode」でデスクトップ環境が起動する(図6)。GNOME Classicではユーザーインターフェイスがやや異なるものになり、グラフィックエフェクトもシンプルなものになるが、それ以外の機能についてはほぼ問題なく利用できる。

図6 GNOME Shellが利用できない環境ではこのような画面が表示される
図6 GNOME Shellが利用できない環境ではこのような画面が表示される

日本語環境の設定を行う

 Fedora 16の場合、ライブメディアから起動した直後はデフォルト言語設定が英語になっており、ユーザーインターフェイスなどの文字はすべて英語表記となる。また、キーボードについても英語用のキー配置が選択されており、日本で一般的な日本語106キーボードなどを利用している場合、キーの表記と実際に入力される文字が異なってしまう現象も発生する。そこで、日本語環境で利用する場合はこれらの設定を変更しておきたい。

 まず、デスクトップ右上に表示されている「Live System User」をクリックする。メニューが表示されるので、続けて「System Settings」をクリックする(図7)。

図7 画面右上にはログインしているユーザー名(ここでは「Live System User」)が表示される
図7 画面右上にはログインしているユーザー名(ここでは「Live System User」)が表示される

 Windowsのコントロールパネルに相当する「System Settings」ウィンドウが表示されるので、この中の「Region and Language」をダブルクリックする(図8)。

図8 「System Settings」ウィンドウから「Region and Language」を開く
図8 「System Settings」ウィンドウから「Region and Language」を開く

 すると、言語設定を行う「Region and Language」ウィンドウが開く(図9)。システムで利用する言語は、この中の「Language」タブで設定する。

図9 「Lanuage」タブで利用する言語を指定する
図9 「Lanuage」タブで利用する言語を指定する

 デフォルトの選択肢に日本語は含まれていないので、右下の「+」ボタンをクリックし、「Select a language」画面で「Japanese」を指定して「Select」をクリックする(図10)。

図10 追加する言語を指定する。「Japanese」を選択しよう
図10 追加する言語を指定する。「Japanese」を選択しよう

 キーボードレイアウトの設定は「Layouts」タブで行う(図11)。デフォルトでは「English(US)」のみが用意されているので、日本語106キーボードを利用する場合は先ほどと同様に右下の「+」ボタンをクリックして「Japanese(Kana 86)」を選択し、「Add」をクリックする(図11、12

図11 「Layout」タブでキーボードレイアウトの設定を行う
図11 「Layout」タブでキーボードレイアウトの設定を行う
図12 一般的な日本語106キーボードを利用する場合は「Japanese(Kana 86)」を選択する
図12 一般的な日本語106キーボードを利用する場合は「Japanese(Kana 86)」を選択する

 最後に、追加されたを選択した状態で右下の「^」をクリックし、「Japanese(Kana 86)」が一番上に表示されるように設定する。これにより、「Japanese(Kana 86)」が優先的に利用されるようになる(図13)。

図13 「Japanese(Kana 86)」が一番上に表示されるように並び替えておく
図13 「Japanese(Kana 86)」が一番上に表示されるように並び替えておく

 以上の設定が完了したら、設定を反映させるためにいったんログアウトする。再度画面右上の「Live System User」をクリックし、「Log Out」をクリックしてログアウトしよう(図14)。

図14 設定を反映させるためにログアウトして再度ログインする
図14 設定を反映させるためにログアウトして再度ログインする

 ログイン画面が表示されるので、ここで「Live System User」をクリックすると、ユーザーインターフェイスが日本語に切り替わった状態になるはずだ(図15)。

図15 各種ユーザーインターフェイスが日本語に切り替わる
図15 各種ユーザーインターフェイスが日本語に切り替わる

 このとき、標準で用意されているフォルダ名を変更するかどうか尋ねるダイアログが表示されるが、これについてはどちらを選択しても問題ない。好みのほうを指定しておこう(図16)。

図16 標準フォルダをリネームするかどうか問い合わせが表示される
図16 標準フォルダをリネームするかどうか問い合わせが表示される

用意されているアプリケーションを使う

 Live環境にはWebブラウザ「Firefox」やメールソフト「Evolution」、マルチメディアプレーヤー「Rhythmbox」、写真管理ソフト「Shotwell」などが用意されており、これらは「アクティビティ」メニューや「アプリケーション」メニューから起動できる(図17)。これにより、Webブラウズやメールの送受信といった作業が可能だ。ただし、CD/DVDなどから起動した場合や、「Persistent Storage」を設定していないUSBメモリから起動した場合、作成したファイルなどは再起動すると消滅してしまうので注意しよう。

図17 Fedora 16のLive環境には多くのアプリケーションが含まれている
図17 Fedora 16のLive環境には多くのアプリケーションが含まれている